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わくわく着物~着物の愉しみ~ 臥竜亭へようこそ!

わくわく着物~着物の愉しみ~ 臥竜亭へようこそ!

お茶会報告(2)

■□■2001.10.14 AAA茶会■□■

 秋晴れの一日となった10月14日、お茶ネットで知り合いになった方のお茶会にお呼ばれ。会の趣旨は「AAA」。一時ずいぶんと話題になった「Act Against AIDS(アクト・アゲインスト・エイズ)」の頭文字をとったものだそうだ。「1993年から音楽業界とTVゲーム業界が力をあわせて行っている『一人一人がエイズについて何かできることをしよう』という運動で、NGO」という事らしい。何となくその名前は知っていたが、きちんとした知識はなかった。反省。
 知人は、サザン・オール・スターズのファンで、彼らがこの運動に参加し、また、別の時に見た映画で、世界中でAIDSと闘う子ども達が描かれていて感銘を受け、「自分もできることをしよう」と思い立ったそうだ。
 使われていたお道具も、季節の物に混じって、そういう意思のくみ取れる物が多かった。床の掛け軸は「吹毛剣(すいもうのけん)」。毛を吹き付けただけで切れる剣、という事で、一切の煩悩を断ち切る般若の知恵の意味だそうだ。亭主が剣士であることに由来するのだろうが、人智で災いが断てますように、という願いが込められている。地球を表した丸棗(抹茶を入れておく物)。茶杓(抹茶をすくう匙)の銘(名前)は「希望の轍」。蓋置(釜の蓋をあずける物)は青磁の三ツ人形で、闘う子ども達の象徴だろうか。菓子器はキース・ヘリングのイラストが描かれた皿。AAAのキャラクターが彼のイラストなのだそうだ。
 こういう時勢で、道具組はそのまま現在の世界情勢にも当てはまる。不安な事も多いが、いたずらにしかめっ面をしているより、希望を胸に灯そうぜ! というメッセージを受け取ったように思う。自然や時の移ろいを愛でるのもよいが、お茶でこういう主張をすることもできるんだなぁ、とちょっと感動。目から鱗。
 ご亭主は、私とほとんど茶歴が変わらず、年齢に到っては、私の方がいくつか年長さんだ。『ちょっとぼんやり生きすぎ! ワタクシ!!』と反省。「気がある」って、スゴイ事なんだなぁ、と今さらながらに思う。自分は自分、自分らしいのが一番だが、自分のことだけにかまけず、社会や世界との関わりをもっと持たないと、大人じゃないかも…と私らしくない殊勝なことを考える。
 私が入れていただいたお席が、友人ばかりだったこともあって、とてもフレンドリーで、押しつけがましくない主張のある、いいお茶会だったと思う。たくさんのことを勉強させてもらった。
 ちなみに、この日の収益金は、AAA(NGO団体)に寄付されるそうです。



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